「ベター・コール・ソウル」はアメリカ版「男はつらいよ」だ!

シェアする

スポンサーリンク
スポンサーリンク

「男はつらいよ」に通じる「男泣き要素」が満載だ! 

ベター・コール・ソウル

NETFLIXが製作した「ベター・コール・ソウル」は、世界中でヒットしたドラッグドラマ「ブレイキング・バッド」のスピンオフ作品だ。

主役は「ブレイキング・バッド」で金のためなら悪人へ手を貸すことも厭わない、最低の弁護士として登場していたソウル・グッドマン。

ファンからも人気の高かったキャラクターだけに、どのような作品となるのか楽しみにしていた方も多いはず。

私も喜び勇んで視聴したのだが、ブレイキング・バッドとはかなり趣が異なる仕上がりなのだった。

同じチームが製作を手掛け、「ブレイキング・バッド」でお馴染みだったロケーションやキャラクターが登場するのだが、ドラマのテイストが全く異なるのだ。

例えるなら「同じ食材を使って全く別の料理に仕上げた」という感じで、良い意味でファンの期待を裏切った作品となっている。

そして徐々にドラマの方向性や世界観が見えてくるにつれて、私自身はこう感じた。

「これはアメリカ版の『男はつらいよ』じゃないか?」

異論反論はあると思うが、この「ベター・コール・ソウル」には寅さんに通じる「男泣き」の要素がふんだんに盛り込まれているのだった。

ドン底から這い上がろうとする男の哀愁に涙で前が見えない!

ベター・コール・ソウル

「ブレイキング・バッド」は、ウォルター・ホワイトという真面目な高校教師がジワジワと人の道を踏み外していく様をスリリングに描き、手に汗握る緊張感や気不味さを楽しむ作品だった。

一方「ベター・コール・ソウル」は主役のソウル・グッドマンが人生のドン底にいる状態から物語が始まる。

苦労して弁護士資格を取得したものの大手の弁護士事務所へ入ることができず、担当できるのは金にならないカスのような裁判ばかり。

実の兄は精神的に壊れてしまって引きこもり状態。

事務所はネイルサロンの物置を間借りし、愛車はエンジンを掛けるのがやっとなほどボロボロ。

つまり「ベター・コール・ソウル」のグッドマンは、絵に描いたような泥沼の中にいる。

ただ「ブレイキング・バッド」登場時のように、躊躇なく悪事へ手を染める人物ではない。

「真っ当な」とは言い難いが、弁護士として成功して周りを見返そうという向上心を持っている。

これが20代の若者ならば青春ドラマともなるのだが、グッドマンはいいオヤジだ。

その哀愁は半端じゃない。

自分を大きく見せようとするほどボロが出てドツボにはまってしまう。

この辺りが「男はつらいよ」の車寅次郎と重なって見えてくるのだ。

ずる賢くて口は達者だけど肝心なところでボロが出てしまう。

恋に不器用で愛した女には滅法弱い。

自分を犠牲にしても身内のピンチは見過ごせない。

昭和の娯楽映画が好きだった視聴者には、このような人物設定にグッと来るものがあるはずだ。

ただし、舞台は「ブレイキング・バッド」の世界なので「男はつらいよ」ほどピュアな作りではない。

クセのある登場人物たちのドロッとした思惑へ巻き込まれていくグッドマンを儚く見守るのが「ベター・コール・ソウル」という作品なのだ。

「ブレイキング・バッド」を見なおせば新たな発見があるはず!

ベター・コール・ソウル

「ベター・コール・ソウル」はエミー賞などにも多数ノミネートされ、シーズン2も2016年に公開される予定だ。

ファンにとっては待ち遠しい日が続くが、この機会にもう一度「ブレイキング・バッド」を見直してみれば新たな発見があるだろう。

スポンサーリンク
スポンサーリンク